面接開始場面で報復などの行為は厳禁であることをしっかり伝える
ハラスメント相談対応の中で一番難しいのが行為者へのヒアリングです。
- そんなつもりはなかったという無自覚なパワーハラスメント
- そんなことぐらいで何で訴えられるのか! とハラスメントに対する認識の欠如
など行為者の反応はさまざまです。人事や総務から連絡があって何のことかわからず面談に向かい、そこで初めて自分がハラスメント行為者として訴えられていることに気づくケースが多いのではないでしょうか。訴えられたとわかった行為者が、面談中に訴えられたことに対して納得できず、怒りをあらわにすることもあります。
また、面談が終わったあとに、被害者に「お前がチクッたのか!余計なことしやがって」と恫喝したり、他のメンバーに「○○が悪いのにチクった。あんなことぐらいで」と自分に同意してくれる人を増やそうと言いふらして、被害者を職場に居づらくさせてしまうというケースもあります。
こうした行為は「セカンドハラスメント」と呼ばれています。実はパワハラ行為者が、面談のあとにセカンドハラスメントを行うケースはかなり高いようです。
セクハラやパワハラを受けた人が、その後に周囲の同僚や上司からバッシングされたり、仕事の協力を得られなかったりといった二次被害にあうことは絶対に避けなければなりません。そのため、ハラスメント行為者への面接開始場面では報復などの行為は厳禁であることをしっかり伝えてからヒアリングを開始することが大切です。
処分が決定したあとの行為者対応で気をつけること
ハラスメント委員会により処分が決定したあとは、その処分を行為者へ伝えるわけですが、ここでのポイントは行為者の「納得感」です。
- 今回の処分にいたった経緯、会社として「ことの重大性」をどのように捉えて今回の性分にいたったのかの理由を丁寧に説明する
- パワハラ行為者の自覚を促進し「どうすれば言動の改善につながるか」の具体策を自ら考えてもらい、実践を約束してもらい再発防止につなげる
パワハラ行為者が、処分に納得がいってなければ仕事へのやる気にもつながらず、仕事にも大きく影響します。パワハラ行為者にモノは言わせないではなく、説得より納得を目指します。行為者の言い分もしっかり聴き、そのあと行動改善につながっているのかについてもフォローするようにしてください。